ソフトクリーム市場の成長

その昔、田舎に一軒だけあった中華料理屋「金龍」で親戚一同集まって食事、なんてことがありました。デザートは黄色いコーンにくるくると巻かれてスタンドに立てられて出てきたソフトクリーム。中華の濃い味の後は水っぽくザラザラした舌触りのソフトクリームが妙に美味しく「ソフトクリームってこういうもんだ」と思っていました。

それから30余年、バンコクではあちこちでソフトクリームを見るようになりました。タイに来た15年ほど前にもソフトクリームは私が知るだけですが1つありました。デイリークイーンというブランドで、ラクトアイスに乳化剤を入れて滑らかにしたもの、という印象がありました。

今見かけるソフトクリームは大体北海道ミルクと銘打った素材を使い、オリジナルと抹茶またはチョコレート味という感じでしょうか。金龍さんで食べたソフトクリームとは全く違う、牛乳味が濃く滑らかで水っぽさなどかけらもないものです。デイリークイーンと比べるとそのカテゴリーの違いも良く分かります。価格は2015年8月現在でデイリークイーン10バーツ、日本のソフトクリーム95バーツです。

10倍の価格差。これはどのようにして消費者の心理ハードルを解消できるのでしょうか。

JTEPAなどで関税が段階的撤廃となって日本製が妥当に近い価格で大量に流入している現在、「日本の素材、日本の味」だけではなかなか注目されません。また「店を出しておけば自然に美味しさが認知される」というのもこの価格差では自然に淘汰される側になる危険性があります。

私は「北海道ミルク」というのは誰に向けて書いているのか、に注目したいと思います。一度北海道で食べたことのある人であればこの文言が何を意味するのか分かり「北海道のアイスクリームは美味しかったな」と思いだすことのできる人を対象に販促するのはどうでしょうか。北海道ミルクというのも北海道を知らない人には「東京じゃない場所からの牛乳」程度に思われてしまうでしょうし、そういう人に北海道ミルクのおいしさを訴えるには別の方法が必要です。また、北海道に行ったことのあるタイ人であれば95バーツであればそれほどお財布の紐は全く開かないというわけでもないと思います。

金龍さんのザラザラしたソフトクリームを懐かしく思いながら、凝縮したミルク味と濃く苦味のあるチョコレートのたぶん世界で最高品質のソフトクリームがバンコクでいただける、という生活に感謝ですね。

 

 

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