2017/10/02メルマガ タイ醤油メーカー大手、和風醤油を展開

「健康的だから」「おいしいから」「盛り付けがきれいでSNS映えする」「幕の内のコスパは最強」など世界的に人気の和食。タイでは2000年代後半-2010年代前半の自動車バブルの際に和食店が急増していましたが、現在は減少傾向です。日経に掲載されたJETROの調査結果より。

とは言え、タイ系醤油大手メーカー・ヤンワイユム社が和風醤油を出しているのを発見。

このメーカーは 英語ではラッキーボーイ タイ語ではデックソンブーン というブランドを展開、大豆をベースにしたさらっとした醤油を始め、中華風どろっとした甘味のある濃い醤油他、多数の調味料を展開。タイの屋台や日本のタイ料理店でこの”とっちゃん坊やマーク”を見たことがある、と言う方も多いと思います。

このメーカーから和風醤油が出た、と言うことはタイ系大手が進出するほど和食という分野/市場に魅力がある、ということの表れと思います。

このヤン社は今後どのように展開するのかを考えてみました。

まずは単純にタイ国内の和食店に対する絨毯爆撃営業。この場合は日系ブランド数社の価格を下回る価格攻勢になるでしょう。

このヤン社は今後どのように展開するのかを考えてみました。

並行して食品工場での工業用途模索。小売需要工業需要双方ともにシンガポールにある日系醤油製造K社の輸入代理店、バンコクの東南150kmのところに日系Y醤油製造社、こういったところのOBや営業経験者を中途採用するなりして販売ルートを把握、それになぞるような形での営業展開が考えられます。

 

タイ独自のマーケットともいえる、屋台での持ち帰り用途5ml程度入りパックナンプラー(タイの魚醤、非常に塩辛い)が今後「健康を考えて塩分控えめの日本のしょうゆにしたほうが良い」的な啓蒙活動も展開してくるかもしれません。

タイ国内はもとより、タイ系食品メーカーの完成食品輸出ルート、と言うものも視野に入れていると思います。タイは「Kitchen of the World」と世界の食品輸出基地となることを目指し、20年ほど前から国策として大学での食品工学等食品に関する学部をぐっと増やしています。同じ食品系学部を出たのち別々の会社で働いている同期や先輩後輩、それぞれが自社の製品を持ち寄って新商品プランニングを立案、ここでヤン社の和風醤油を使ったメニュー提案、と言うこともあるかもしれません。

今は「冷凍ガパオライス」などタイ料理を輸出していますが、これが今後「冷凍チャーシュー丼」「冷凍焼そば」など和食に切り替わってくる可能性も高いでしょう。和食なんだけどメイドインタイランド。パッケージが和風であり、開けた時に和食っぽい見た目で、開けてみたら醤油の香り、食べてみたらんーまあ和食ってこういう感じだよね、ぐらいは可能なのではないかと思います。

世界的に見てタイ料理よりも和食のほうがメジャーかつ人気があり、多少利幅を乗せても売れる、となれば生産比率を検討してくるでしょう。タイは狭いし人も少ないけど(人口は日本の約半分)、世界は広いし多くの人がいる、として国内シェアにはこだわらないだろうとも思います。

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日本人が考える課題としては「本当に日本のしょうゆの味と品質が保てているのか」ではありますが、「食べる方が本物の味を知らない」という場合がまだまだ多く、かつ、「本物にこだわらない、本物風で消費者の口に合うようにアレンジ」などはタイ人の得意とするところです。

この点は職人気質で「これが本物!」と拘りのある日本よりも柔軟といえるところでしょう。また、本家日本の醤油としては本当の味以外の訴求点、価格を度外視しても採用すべき点、こういったアピールが求められることでしょう。

 

醤油は和食のあらゆる基礎の一端を担う調味料です。伝統の味を保ちつつ、革新的な使い方の提案をし、消費者の口に合った調合。うむむ、もし私が担当者なら言うは易し行うは難し、と持病の知恵熱が出そうです。

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